今日の天草は晴れ! 春のすがすがしい海風が吹いています。時折、ホーホケキョ!の声も聞こえてきて、ドライブしながら春を満喫しています。
さて、先日、紀行文『五足の靴』の朗読会〜話音コンサートに行ってきました。
フリーアナウンサー高月晶子さんとOMURA室内合奏団チェロバスユニット・ボトムラインストリングスによる朗読と音楽のコンサートです。
チェロとコントラバスの重厚感のある低音のメロディと、高月さんの澄んだ声。目を閉じて聞いていると、自然とその世界に引き込まれていきます。100年前の天草にタイムスリップしたような、そんな気分でした。
朗読で聞く紀行文『五足の靴』
約100年前、与謝野鉄幹や北原白秋ら五人の詩人たちが記した紀行文『五足の靴』。彼らは東京から遠く・天草まで旅をします。目的は大江天主堂の宣教師・パアテルさんに会うこと。彼らは海を越え、山を越え、ようやくパアテルさんに出会います。天草の自然と島人と、キリシタンの祈りとともにある暮らし……。そしてこの旅をきっかけに五人の詩人たちは文壇に躍り出ます。天草への旅が日本の文学界を変えたとも言われています。
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わかうどなれば黒髪の
香をこそ忍べ、旅にして
わが歴史家のしりうごと、
『パアテルさんは何処に居る。』
南の海に白鳥の
躯うかぶと港みて
舟夫らはうたふ。さりながら、
『パアテルさんは何処に居る。』
遍路か、門に上眼して
ものものしげにつぶやくは、
『さて村長よ、』またしても
『パアテルさんは何処に居る。』
葡萄の棚と無花果の
熱きくゆりに島少女
牛ひきかよふ窓のそと、
『パアテルさんは何処に居る。』
かくてちまたは紅き灯に
三味もこそ鳴れ、さりとては
天草一揆、天主堂、
『パアテルさんは何処に居る。』
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とても素敵な時間でした。
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