こんにちは!
なんだか、最近、自分の想いに目を向けています。秋の夜長がそうさせるのでしょうか…。夕日に照らされて光を放つステンドグラスを見ながら、いろいろなことを想っています。
突然ですが…
私は『異国情調』という言葉(漢字)が大好きです。
世界とのつながりを感じさせてくれる壮大な言葉であり、
南洋の赤い花と濃い緑が頭に浮かんでくる言葉であり、
香りたつような言葉であり、
ロマンチックでもあり、エロチックでもあり…。
ひとことでは表現できない
深い深い意味を持っているように感じる魔性の言葉。
私は、この言葉(漢字)が醸し出す情景が大好きなのです。
そして辞書で調べたところ
『異国情調=異国情緒。「異国情調は昭和前期まで
昭和後期からは「異国情緒」が一般に使われだした」とありました。
さらに調べると
異国情調という言葉は「明治40年ごろまではなかった」と
詩人で評論家の野田宇太郎氏が
『異国情調の文藝運動』で下記のように書いています。
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『異国情調と云ふ言葉は明治四十年頃までは使用されなかつた。
勿論、異国と云ふ言葉は在つたが、情調と云ふ言葉はなかつた。
情調と云ふ言葉を作つたのは木下杢太郎であつた。
今試みに古い漢和大辞典の類をみてもその言葉は無く、
漢字熟語としてもない。
つまり、パンの会が終つた大正以後の辞典以外には見出せない言葉である。
英語の emotion の訳語として情緒(じやうしよ)と云ふ言葉はあるが、
同じ英語の mood に相当する訳語はない。
ムウドに相当する言葉として
緒の字の代りに調の字をはめて「情調」としたのが木下杢太郎であつた。
エキゾチシズムは異国情緒ではなくて、異国情調である。
このやうに、情緒を情調と厳密化する程、
パンの会はエキゾチシズムに対する理解と能動性を持つてゐた。』
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つまり、異国情調という言葉は、
木下杢太郎が五足の靴の一行として天草を旅した後にできた言葉です。
江戸から明治になり、ようやく人々の行き来や旅が自由になりました。
それまでの日本人の感覚にはエキゾチシズムというものはなかったから
それを表現する言葉が存在しなかったのだはないかと思うのです。
五足の靴の一行・五人の詩人たちが訪れた天草は、きっと彼らにとってヨーロッパ。
外国への旅のようなものだったと思うのです。
木下杢太郎が天草で感じたものは情緒(emotion)ではなくmood。
それを表現した言葉が
「異国情調」だったのではないでしょうか。
・*。.:*:
九州でも日本でもない アジアの中の天草
・*。.:*:
これは五足のくつが大切にしている言葉です。
五足のくつのあるこの地、天草が醸し出す空気感を感じていただきたく
この言葉を使っています。
ひとことで言うなら『異国情調』かもしれません。
emotion(情緒)ではなくmood(情調)
『異国情調』という言葉(漢字)、
この響き、そして意味合い、醸し出す空気を大切にしていきたいと思います。
そしてお客様にたくさんの異国情調を感じていただけるよう、
これからも五足のくつ、天草でがんばっていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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