『天草伊勢海老まつり 2017』開催中！

～伊勢海老まつりの歴史について天草生まれ、天草育ち
伊賀屋旅館６代目にして五足のくつオーナー山﨑博文が語ります～

＊＊＊天草伊勢えび祭り物語　その2．＊＊＊

当時の天草下田温泉旅館組合主催の伊勢海老まつり「グルメ海賊ツアー」は、
牛深の伊勢海老まつり以上にマスコミの注目を集めた。

その頃、天草町役場の川野観光課長は、アイデアマンで、
グルメ海賊ツアーの名付け親でもあった。

地元でのマスコミに対するお披露目を終えると、
下田温泉旅館組合一同、マイクロバスに乗せられ熊本県庁へ向かった。
翌朝、登庁してくる県の職員の方々にデモンストレーションしようというわけだ。

朝早く起こされると、
川野課長は、「皆さん、これば着てください」と言って、
つぎはぎだらけのハッピを取り出し、「これもつけてください」と、
さまざまなかたちのカツラを皆に配った。
「今日は皆さん、海賊になってくれんな。
熊本県庁の正門前で左手に刀、右手に伊勢えびまつりのチラシを持って
県の職員の方々に渡して、下田温泉の伊勢えびまつりば盛り上げましょう！」

私も当時は、20代前半。
いくらかの恥ずかしさもあったが、このデモンストレーションを楽しんだ。
終わると、宿に戻って皆で遅い朝ごはんをいただいた。
誰かがビールを注文すると、「私も」「俺も」と
役場職員も旅館組合員も皆仲良く朝ビールを楽しんだ。
今ではちょっと考えられないことだろう。
いい時代だった。